前に行ったときはまだ住居兼スタジオだったし、まだHarvest時代。
あれから何年か経ってスケートボードをリサイクルするのは変わらないけれど小さなジュエリーから大きなスカルプチャーで表現するようになった。
NYのギャラリーもついた。100万ドルアーティスト。
伊藤くんもハルちゃんも変わらないけど。
底冷えする作業場でストーブを囲んで伊藤くんとこうちゃんと3人で缶コーヒーを飲みながらいろいろお喋りした。伊藤くんとハルちゃんは2人揃ってこうちゃんの個展にも遊びに来てくれたからやっぱりおしゃべりの内容は作品作りや発表の話が多かった。
伊藤くんはやりたいことを口に出すことにしてると言っていた。その話の流れで「僕がアーティストとしてやりたいということを最初に口に出して相談した相手はこうちゃんだった」と言った。「こうちゃんに『アーティストってどうやってなるの?』と聞いたら『伊藤くんたちの作ってるものを見るとアーティストだと思うし、どうやってというのを説明するんであれば言ったもん勝ちだよ』と言われてそうか、と思ったんだ」No.12 Galleryの平野家にみんなで遊びに行った日のことだ。覚えてる。そうか、あの時が最初だったんだ。あれは暖かな春の午後だった気がする。自転車で来たと言ったら驚かれたなあ。
こうちゃんがスケートデッキをキャンバスにした作品をたまに作っているけど、あれは伊藤くんのとこから貰ったものだ。その貰ったものから作品を頼んでくれたこともある。ゲレロの肖像画を描いてほしいと。もちろんお金も払ってくれた。こうちゃんも一所懸命描いてカッコいいのを納品したら喜んでくれた。味わい深い壁紙の上に飾られた作品の写真を見せて貰ったら、ああ良かったなあと思った。
いま作業場ではスケートデッキを小さなキューブに切って重ねたものを造形した消火栓の作品が置いてあった。それの端材がゴミ袋にまとめてあった。端材として残された方を見てもすごくキレイにカットされていた。ステキだなあと思ったけどあたしも物を作っていたし、周りにもたくさんいて見ているからこういうものとは言え「ちょうだい」とはなかなか言えない。でも作品ではないからお金払うからというのもおかしいか、と思って持って帰ってもいい?と聞いたらもちろん、とくれた。
長押の上に飾ってみたら可愛かった。
だけど一度落ちて割れたみたい。いまは形が変わって飾られている。
可愛い。
笑顔としかめっ面みたい。もしくは太陽と欠けた月。
オマケ:Harvest時代のブローチの留め金をお直ししてくれる伊藤くん
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